今日は原価法-その3です。
【建物価格-建物の再調達原価】
今日は建物の再調達原価について記載します。
原価法において、建物価格は、価格時点における対象建物の再調達原価を求めて、それに減価修正を行って求めます。
再調達原価は、建設請負により、請負者が発注者に対して直ちに使用可能な状態で引き渡す場合を想定し、発注者が請負者に支払う建設費に直接負担すべき付帯費用を加算して求めます。
対象不動産を建てた際の建築請負契約書や類似の建設事例、JBCIのコストプランニング(財団法人建設物価調査会のジャパン・ビルディング・コスト・インフォメーション)などを参考に決定します。最近では証券化対象不動産の場合は特に、エンジニアリングレポート(Engineering Report、ERと略して言います)を評価の発注者が取得するケースが多く、そこに記載されている再調達価格を参考にすることが多いです。ただ、請負価格に引きずられすぎているものなども中にはあり注意が必要です。その当時の請負価格が高いからといって価格時点での再調達原価がそのままに近い水準であるということはありません。ゼネコンの請負価格にも価格変動があり、また発注者の属性や請負者との力関係などで当然幅があります。そこを勘案しなければなりません。
また、ERの再調達価格と鑑定評価の再調達原価は概念が若干違います。例えばERの再調達価格には設計費が含まれていないので、再調達原価を決める際にはその分を加味する必要があります。設計費は建物価格の3~8%ぐらいが多いですが、物のタイプ等によって違います(マンションなのか、オフィスなのかなど)。
これらのプロセスを経て建物の再調達原価を決定します。
次回は減価修正です。
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