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2008年04月10日不動産評価講座3(原価法-その2)

今日は原価法-その2です。

【土地価格】

評価講座2で書いたとおり、土地は原価が分かるものが造成地や埋立地などに限られており、なかなか再調達原価を把握できるものがありません。そうした「既成市街地」においては取引事例比較法及び収益還元法によって求めた更地価格を求めます。

実務的には別途複合不動産(土地建物)の評価の際に収益還元法を適用しますので、「取引事例比較法を適用して求めた土地価格比準価格)」を使用するケースが殆どです(今後変わってくるかもしれませんが)。

取引事例比較法は簡単に言えば、ここがいくらで売れたから、対象地はいくらだ、というものです。具体的には、

なるべく多くの対象地と類似性のある取引事例を収集して、分析し、その中で特に類似性があるものを選択する(事例の収集及び選択)

②取引の事情や時点の違いを修正する(事情補正・時点修正)

③取引事例が存する地域と対象地が存する地域の要因の比較、取引事例及び対象地の個別的要因の比較を行い、補正する(地域要因の比較及び個別的要因の比較)

これらの過程を経て、ここがいくらで売れたから、対象地はいくらだと決定するわけです。

比準(取引事例比較法のことをこう呼びます)はここがいくらで売れたからということで決めているだけだから簡単だ、という人もいます。しかし、本当は対象地と適切に比較して対象地の価格を判定するのは非常に難しい作業であり、比準の精度を高めるのは大変だなと日々感じてます。

 

次回は建物です。

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